セカンドオピニオン

このところアナログな生活でした。
何のことはない。手紙を書いてただけなんですけどねぇ。

今どき文通???
若い子ならメールという手もあるのだろうが、相手が老齢なので
たまには手紙もいいのかな。
そのせいか、キータイピングに気後れしてた。(笑)

そんなことしている間にも
延ばし延ばしにしていたセカンドオピニオンを突如決定。

娘が現在の眼科医で診察を受け続けることに抵抗していたせい。
受験が終わるまで待ちなさいと言い聞かせていたのだ。

その間に、いろいろと調べておこうかと思いながら
通院の場所や時間もなるべく生活に支障のないドクターとなると……。

できれば開業医で総合病院にも連携が取れるところが望ましい。
この若さでの緑内障なので、不安を聴き入れてくれる人柄が
重要なポイント。


これまでのドクターは、専門医なんだけど
いくつか病院を持っていて、いつも忙しそう。
待合室は老人で大混雑。
そういった状況では、何か聞こうにも質問しづらい。
カラッとした先生ではあるが、
「今は治療方法がいろいろとあるから心配いらないよー。
でも、この前19の女の子が失明しちゃったんだよね」

(おぃ~っ! 若い子の心配はそこなんだよねぇ)

決して意地悪な物言いではないのだが、
初診でそう告げられ、思春期の娘にはこたえていたのだと思う。

正しい知識と日常の検診を怠らなければ
突然失明なんて起こらないのだと言ってきたけれど……。

視野欠損も起こっていると言われて以来、
娘は将来は失明してしまうのだろうと自覚がないまま
(自覚症状があったら悩んでる場合ではないのだが)
心の隅でずーっと思っていたらしい。
本当に将来は失明するしかないのか?って。
何歳ごろが危険なのか、聞いてみたかったけれど
年寄りの流れ作業のような診察じゃ聞けない。


んん~、人柄って言うのは難しいんだなあ。

それでも、何年か前からチェックしていたドクターが
HPも作成していて、緑内障治療の論文も最近でもいくつか
出しているようだ。

相談メールもうけつけると言うので娘に話してみると、
そのままの気持ちを綴ってメールを出したようだ。

夜にもかかわらず、早々にメールの返事が返ってきた。

これまで部活が忙しすぎて通院期間が開くことがあっても
治療を拒否することはなかった。
けれど、娘は自分の疾患自体を受け入れていないのだ。
信じたくない。信じられない。
いちばんの問題はそこなのだ。

そういった心情をそのドクターは簡潔明瞭に答えてくれた。
「ぼくのところに来れば、診断が正しいかどうかは
すぐに判明します」と。

案外、娘はそういった明瞭な答えが欲しかったんだな。

翌日、さっそく受診してみた。
行って、そのドクターの話すこと、説明がわかりやすいか、
こちらの不安を話せるような雰囲気を持っているか。
自分で感じるしかないよと最初は一緒に行くことにした。

普通、セカンドオピニオンと言えば
これまでの診療記録や検査結果を持参するのが望ましいのだが
初診の頃から大して変わっていない。
最近の結果も薬も口頭で言えるからいい。

初診の手続きをして、診察を待つ。
夕方だったので子どもや会社帰りの人が受診にくる程度。
カメラが趣味だけあって、
高額そうな医療器械が置いてある。

もう一度、受診までの経過を聞かれる。
視神経乳頭の写真と、混んでないから視野測定もする。

結果「残念ながら、診断は間違ってません。正しいです。
が、この治療はぼくは否定します。治療開始後5年でこの程度の
眼圧ではいけない。若い子にはもっと早い時点で薬の変更をした方
が良かったと考えます」

そう言って、写真を見せながら丁寧に娘に説明する。
視野欠損が両目に出てきていたことには
少なからずショックもあったけれど、
それから、これまでの治療では効果があがらないことや
それに代わる薬の提案。

19歳の若さなら、進行を最小限にする治療を進めていかなくては
ならないのだと今後の指標をしっかりと提示してくれる。

「どうします?
ここで治療をして行くなら、もっと有効なコントロールを
して行けます」

娘の表情を見ながらわたしは言う。
「お願いします」

終わってから、娘を見る。
片方だけと言われてた視野欠損が両目にあったことは
ショックもあろうが、安心した表情。

そう、そういった自分の状況を具体的に
結果を見せて説明してくれるのでないと受け入れていくことは
できないんだね。

医学的な指標は患者にはわかりらないだろうけれど
日常の中でちょっとした疑問でも質問できて、
それに丁寧に答えてくれるような患者と医師の関係を
作っていけば将来の不安も何とかなるのかな。

失明のおそれのある病気を持つというのは
日々不安はあるのだと思う。
それでも、ある日突然見えなくなったということはないのだ。
可能性も含めて、いつ何があっても大丈夫。
いつでもI am OK! と言えるような曇らない目で
世の中を見ておきなさい。
そう願うしかないのでしょうね。


長い間の約束事をひとつ果たしたつい先日でした。

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