恋する瞳

犬を飼っていないときは、
一般的なイメージでしか犬への認識を持っていなかった。

ある日、ブリーダーさんの元から来たばかりだという
パピヨンの兄弟がペットショップのガラスケースの中にいた。
パピィとそのお兄さんである。
小さくても離乳しているのだろうか?
そんなことを考えながらケースに近づくと
ヨチヨチしながら寄って来て、タッチするのだ。
こんな仕草をされたらたまったもんじゃない。目がハート

「抱いてもいいですよ」
こんな小さい動物は、
小猫のときに公園に捨てられていた家のにゃんこ以来。
店員さんとパピィの愛くるしさの罠にまんまと嵌ってしまった。
そのまま、パピィを連れてきてしまったのだ。

赤ちゃんと同じように
離乳期は睡眠と栄養がじゅうぶんならちゃんと育つだろう。
子どもだって、それなりに育ってるし。
たしかに、トイレのしつけが出来てしまえば
体の成長は順調だから、問題はないはず。

だったのだけど、パピィはわたしにとって初めての犬。
ワクチン接種が終わった頃からようやく犬らしくなってくる。
その頃の犬の扱いを知らないことに気づく。(遅い)

あわてて、しつけを教えてもらえるところを探す。
今はいろんな犬のスクールがあるのだが、
ありすぎて何がいいのか迷ってしまうのが困る。

しかし、その中でわたしが共感できるポリシーを持って
地道に活躍しているトレーナーがいた。
しかも、オフリードである。
思い切ってアポをとってカウンセリングを受けて
さっそく5か月からトライアル開始~!

勢い込んだのはいいけど、やはり目立つのは
社会化不足
臆病
興味が持続しない

課題を抱えて毎週通ったおかげで
呼び戻しとお座りだけは何とかいつでもオッケー。
パピートレーニングで体得したものはこれだけ。

リードなしでも道路に飛び出すことはない。
噛みつきの抑制。
これも、まあ持続していると思う。


真夏の屋外でのトレーニングだったから
パピィは1分動いたら、もうお終い~と
自分でさっさと切り上げて、トレーナーさんの庭の
探索を勝手にしていたのだ。
まだ幼児と思って自分が妥協するしかない。(笑)
しかし、トレーナーがパピィを呼ぶと
どこからか走ってきてちょこんとお座りして
トレーナーの顔に穴があくほど見つめるのだ。

何で、わたしの方が一緒に過ごす時間が多いのに
納得できん。ぷっくっくな顔
後から他のオーナーさんと顔を合わす機会があったが、
やはり、みなさん同じことをおっしゃってた。

トレーニングの後半、
大型犬にはあまり遭遇していないと話した日。
トレーナーの愛犬のラブとボーダーをそれぞれを
引き合わせてくれた。
二頭ともトレーナーが何も言わないうちは
パピィの周りを遠目にしながら近づいていって
あいさつしようと近づいてきた。
パピィは、椅子の下にジーっと固まって出てこない。(笑)

その後、ボーダーだけ残して
パピィが慣れるようにボーダーに指示をしていたが
当のパピィはボーダーの半径1メートルまでが限界。

それから、トレーナーはボーダーと一緒に
レトリーブや脚側歩行、バック歩行などを
わたしたちの目の前で実践する。

さすが、トレーナーだけあるわ!
当然と言えば、当然なのだろうが驚いたのはボーダーの目。
外に出たとたんに、ボーダーも遊べるのかと思い
トレーナーにまとわりついて飛び跳ねていたのだが、
名前を呼ばれたとたんに座ってトレーナーを見つめるのだ。
そして、投げられたおもちゃを見る。
その時点では何も言わないから、取りには行かない。

持って来るように指示されると
さーっと走って咥えてトレーナーに返してヒールする。
そして、またトレーナーの顔を見つめる。
「アウェイ」
ボーダーはトレーナーから離れて自分で遊ぶ。
その最中に「カム」
すっ飛んで来る、ボーダー。

わたしは魔法を見ているようだった。
こんなふうに飼い主の言うことをきく犬って近所にいなかったから。
わたしはその犬をパピィと一緒に見ていた。

再び、レトリーブを見せてくれる。
大きな犬の華麗なジャンピングキャッチ。
戻ってきては、座ってアイコンタクト。
まったくズレない。
その瞳を見ていたら、キラキラと輝いて見えた。

物も言わない犬が、
どうして、そんな豊かな表情が出来るのだろうか。
どこかで見た瞳の輝き。

トレーナーと犬を見ながらずーっと考えていた。
「あっ、これは恋する瞳だー!」

そうそう、あのつぶらな瞳は
オーナーにぞっこんの恋する瞳だったわけだ。

いつか、パピィもあんな瞳でわたしを見返してくれる
ときが来るのだろうか?
人間の男に恋だの愛だのって話は、
何を今さら~って思うけど、
パピィがわたしに恋するってことは可能じゃない?(((笑)))

以来、わたしは
あのトレーナーの愛犬の目力を目標にしているのです。

今年は、トレーナーと一緒にダンスをしている
ワンシーンの年賀状が届きました。
やっぱり、ボーダーは恋する瞳でトレーナーを見つめています。

その年賀状にメールで返信した。
「○○の見つめる目は、まるで、恋する瞳!
わたしは、ずーっと目標にしています。
紛い物の関係ではない関係を築いていきたい」
「関係はできてるんです。
失敗の中からいっぱい学べます。
そのためにたくさんの経験をすることです」

ラジャーわーい(嬉しい顔)

ダメな所、出来ない所に目が行きがちだけど
へたくそハンドラーでも何だか勇気が出る。

そうそう、恋する瞳~

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